
歯周病は、日本人の成人の多くがかかっているといわれる病気で、歯を支える組織が炎症を起こし、進行すると歯を失う原因にもなる怖い病気です。しかし、初期の段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行してしまうこともあります。今回は、歯周病の原因や進行の流れ、予防方法についてお話ししていきます。
歯周病の原因
歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきの間に溜まる歯垢(プラーク)です。歯垢は細菌の塊で、適切なケアをしないと歯ぐきに炎症を引き起こします。この炎症が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい、最悪の場合、歯が抜けてしまうこともあります。
また、歯周病の進行には生活習慣も関係しています。例えば、喫煙は血流を悪くし、歯ぐきの回復を妨げるため、歯周病が悪化しやすくなります。また、糖尿病の人は免疫力が低下しやすく、歯周病になりやすいといわれています。さらに、不規則な食生活やストレスも、免疫機能を低下させ、歯周病のリスクを高める要因となります。
歯周病の進行
歯周病は大きく歯肉炎と歯周炎の2つの段階に分けられます。
1. 歯肉炎(しにくえん)
初期段階では、歯ぐきが赤く腫れたり、歯みがきの際に出血しやすくなったりします。この段階であれば、正しいブラッシングや歯科医院でのクリーニングで改善することが可能です。
2. 歯周炎(ししゅうえん)
炎症が進行すると、歯を支える骨が溶け始め、歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになります。歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)が深くなり、さらに汚れが溜まりやすくなるため、悪化しやすい状態になります。重度になると、歯がグラグラして抜け落ちることもあります。
歯周病の予防方法
歯周病を予防するためには、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが大切です。
1. 正しい歯みがき
歯周病予防には、歯と歯ぐきの境目を意識したブラッシングが重要です。歯ブラシはやわらかめのものを選び、軽い力で小刻みに動かすようにしましょう。また、歯と歯の間の汚れを落とすために、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことも効果的です。
2. 生活習慣の改善
バランスの良い食事を心がけ、特にビタミンCやカルシウムを多く含む食品を摂ることで、歯ぐきを健康に保つことができます。また、ストレスを溜めないことや、適度な運動も歯周病予防につながります。
3. 定期的な歯科検診
自分では取り除けない歯石(固まった歯垢)を除去するために、3~6ヶ月に1回は歯科医院でのクリーニングを受けるのが理想的です。歯周ポケットの状態をチェックしてもらい、早期発見・早期治療を心がけましょう。
まとめ
歯周病は、気づかないうちに進行し、最終的には歯を失う原因となる病気です。しかし、適切なケアを続けることで予防することが可能です。毎日の正しい歯みがきと、定期的な歯科医院でのケアを習慣にし、大切な歯を守りましょう。