
こんにちは。Mono Dental Clinic神田富山町です。
「歯周病」と聞くと、なんとなく「大人の病気」というイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。実際、テレビCMや雑誌の特集でも、40代以降のケアとして語られることがほとんどです。
しかし、歯科医療の現場からお伝えしたい大切な事実があります。それは、「歯周病は子どもにとっても決して他人事ではない」ということです。
今回は、意外と知られていない子どもの歯周病についてお話ししていきたいと思います。
子どもも歯周病になるの?
結論から申し上げますと、子どもも歯周病になります。
ただし、大人のように歯を支える骨が溶けて歯が抜けてしまう「歯周炎」まで進行することは稀で、多くは「歯肉炎(しにくえん)」という段階で見つかります。これは、歯ぐきが赤く腫れたり、ブラッシングの際に出血したりする状態です。
厚生労働省の調査によると、小中学生の約3〜4割に歯肉炎の症状が見られるというデータもあります。「たかが歯ぐきの腫れ」と放置してしまうと、大人になったときにより深刻な歯周病へと移行するリスクが高まってしまいます。
「食器の共有を避ける」は、もう古い?
「子どもに菌をうつさないように、スプーンや箸を別々にしなきゃ!」と神経を使っている親御さんは多いですよね。
しかし、近年の歯科界では、この「食器の共有」に関する考え方が大きく変わってきています。2023年には学会からも、「食器の共有を避けることによる予防効果には、はっきりとした根拠がない」という見解が出されました。
なぜなら、菌は食器を介する以前に、日々の抱っこや頬ずり、お喋りといった、ごく自然な親子のスキンシップを通じてお口に届いているからです。
大切なのは「菌を入れないこと」に躍起になるよりも、「入ってきた菌が悪さをしない環境を作ること」。そして、「周りの大人がお口を清潔に保ち、うつす菌の量自体を減らしておくこと」なのです。
歯周病は何歳から気をつけたらいい?
歯周病ケアを意識し始めるべきタイミングは、「乳歯が生え揃う3歳頃から」です。
特に注意が必要なのが、「小学校低学年から高学年」にかけての時期です。この時期は乳歯から永久歯への生え変わり(混合歯列期)が起こります。
• 抜けたばかりの隙間に汚れが溜まりやすい
• 生えかけの低い歯はハブラシが届きにくい
• 歯並びが一時的にガタガタになり、磨き残しが増える
このような条件が重なるため、実は子どものお口の中は、一生のうちでもトップクラスに「汚れが溜まりやすく、トラブルを起こしやすい」環境なのです。
当院での取り組み
当院では、お子様が一生自分の歯で美味しく食べられるよう、単なるクリーニング以上の「教育」を大切にしています。そのため、お子様の予防ケアでは以下のステップで進めていきます。
① 「染め出し」で汚れを可視化
まずは、専用の液でお口の中を赤く染め出します。「どこに汚れがついているか」を、お子様と親御さん、そして私たちの三者で一緒に確認します。自分の目で見ることで、「あ、ここが磨けていないんだ!」という実感が湧き、やる気スイッチが入ります。
② 「一緒に練習」を繰り返す
一度の指導で完璧に磨けるようになるのは難しいものです。そのため、当院では数回にわたって来院いただき、歯科衛生士と一緒にブラッシングの練習を行います。お子様の癖を見極め、一つずつ「苦手」を「得意」に変えていきます。
③ ぴったりの「道具」を選ぶ
練習の際は、ぜひ普段お使いの歯ブラシをお持ちください。
毛先の状態やサイズがお子様に合っているかを確認させていただきます。「何を選べばいいかわからない」という方には、当院でその子のお口の形に最適な歯ブラシをご提案いただくことも可能です。専門家が選ぶ「処方箋」のような歯ブラシを使うことで、驚くほど汚れが落ちやすくなります。
まとめ
子どもの歯周病予防は、決して難しいことではありません。
「スプーンを共有してしまった…」と自分を責める必要もありません。大切なのは、家族みんなで楽しく食事をし、その後のケアを前向きに楽しむことです。
1. 親御さんも一緒に定期検診を受ける(うつす菌を減らす)
2. 染め出しをして「磨き残しの癖」を知る
3. お子様に合った道具で、正しく磨く習慣をつける
10年後、20年後も自信を持って笑える健康な歯を、一緒に育てていきましょう。
気になることがあれば、いつでもMono Dental Clinic神田富山町にご相談ください。



